厳島神社が世界文化遺産に登録されてから20年目となりますが、このところの宮島人気には驚くばかりです。欧米、東南アジアなど外国からの観光客も明らかに増えています。私は毎日JR山陽本線で通勤していますが、岩国から広島への帰路、途中の宮島口駅では宮島観光を終えた外国人、特に欧米の観光客が大勢乗車してきます。さすが世界遺産効果ということですが、そう単純な話でもありません。
宮島の観光客数は、平成8年の世界遺産登録後、翌年は増加しましたが、その後数年は低迷し、10年かかってようやく世界遺産登録前の水準に戻りました。その間、宮島の観光関連の皆様は苦労の連続で、修学旅行など団体客の減少に対応して旅館の広間を家族仕様に変更したり、島内の清掃美化やイベントのPRに注力したりと、観光客を取り戻すために様々な取組みをしたそうです。そうした努力が実って平成19年頃から観光客が増え始め、平成24年の大河ドラマ「平清盛」で一気に盛り上がりました。その頃から外国人観光客の注目度もあがったようで、ここ数年、海外で人気の日本の観光スポットとして常に上位(クチコミサイトによっては京都をしのいで第1位)にランクされています。大鳥居と厳島神社はもちろんですが、絶景の弥山(みせん)登山や表参道から外れた古民家めぐりなどにも魅力を感じているようです。さらに驚くべきは、旅行代理店の調査では、厳島神社が世界文化遺産であることを知らない外国人も多く訪れているそうです。
外部環境に恵まれたことは確かですが、自助努力がいかに大切かを教えられます。
(写真は宮島観光協会ホームページより)