最近2年間のサポートから① ~企業努力

新型コロナ感染拡大から2年になります。この間、業績の悪化や苦境に立たされた多くの企業の方々をサポートして参りました。飲食や観光関連をはじめとする接触型・集合型のビジネスでは、まだまだ先行きが見通せない状況にありますが、2年間のサポートから感じたことをいくつか整理しておきます。まずは企業努力についてです。

多くの企業がコロナ融資や補助金を利用して資金不安を解消しました。しかし、これは一時的なものであり、真に求められるのは今後を乗り切る経営力です。新型コロナに限らず、今後もどんな逆風が吹くかわかりません。常に次なる事業展開を検討しておくことが肝要です。また、今回、予想外の借入増加に不安を抱いている経営者もいらっしゃるでしょう。まずは企業が維持できたことに感謝の気持ちを持ち、借入金については融資先と相談しながら時間がかかっても計画的に返済を進める必要があります。そのためには返済原資、キャッシュフローをいかに確保するか、企業努力が問われます。

気になる業態があります。飲食ビルです。飲食店をテナントとしていた貸ビルはコロナ禍でテナントの多くが撤退・廃業し、中には廃墟同然のビルもあります。テナント収入で安泰だと思っていたのに、一転して固定資産税、修繕費をはじめとする維持費と、借入金で取得したビルには金利と返済金が加わり、資金持ち出し状態が続いています。企業努力の余地は少なく、静かに処分が進んでいる飲食ビルがあると推察されます。